
電話よりも先に原理が考案されていたことをご存知でしたか?
昭和天皇の即位式という大イベントの報道には、各新聞社の社運が掛かっていました。当時、最も早い速報の手段は、フィルムを空輸することだけだったので、写真電送機の導入が成功するかどうかが、会社の命運を左右すると言っても過言ではなかったのです。しかし、当時の舶来品の写真電送機(FAX)は気温や湿度の微妙な変化だけでも写真が歪んでしまうものだったため、とても報道に使えるようなものではありませんでした。
その頃、当時まだ無名だった国内電機メーカーが、国産初の写真電送機の開発に成功、東京〜大阪間の写真電送にも成功していました。しかし、当時は舶来品がもてはやされた時代ということもあり、国産品の優れた機械が開発されても話題に上ることはなく、この初の国産FAXも開発当時は新聞に取り上げられることはありませんでした。しかし、舶来品のFAXでの情報伝達が全くうまくいかなかった新聞社は、藁にもすがる思いでついに国産の写真電送機を買い付けたのです。
国産初のFAXを開発した電機メーカーは、新聞社からの機器を使わせてほしいという申し入れに非常に悩んだと言われています。舶来品が至上のものとみなされていた時代に、昭和天皇の即位式という社運をかけるような報道に、自社の写真電送機を用いてもし失敗してしまったら、国産品の地位をさらに落としてしまうことになるためです。しかし、テストの結果は素晴らしく、昭和3年11月10日、国産初の写真電送機による写真記事が紙面を飾る事になりました。
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